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VR観光で観光客誘致!自治体の最新導入事例も紹介

この記事は、
「VR観光とは?」
「VRを観光客誘致に使ってみたいけど、アイデアが思い浮かばない」
「観光政策を検討していて新しい取り組みを始めたい」
という方に向けて書かれています。

本記事では、VR観光の活用シーン、観光業や自治体におけるVRの活用事例10選などを紹介いたします。
現在、観光振興のためにVRの活用を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

VR観光とは?

VR(バーチャルリアリティ)観光とは、VR技術を活用して、観光地を擬似体験できる新しい観光スタイルです。
VRを体験できる専用のVRゴーグルやPC、スマホなどを使い360度の映像や3Dで再現された仮想空間を通じて、あたかも現地を訪れたような体験が可能になります。

観光業界における主なVR活用シーン

  • 旅マエ(旅行前):旅行先の魅力を事前に体験し、旅行意欲を高める
  • 旅ナカ(旅行中):現地の歴史や文化をVR体験を通して学ぶ
  • 旅アト(旅行後):旅行の思い出をVRで再現し、リピーターを促進

このように主に観光業界におけるVR活用には二つのパターンがあります。一つは、VRの体験で観光が完結するパターン。もう一つは、VRでの観光体験を通して実際に現地への観光を促すパターンです。

自治体の観光課などの方でVRの導入を検討している方は、ぜひWONQにご相談ください。まだVRの活用方法についてアイデアが固まっていない場合でもWONQでは、VR企画から開発、運用までワンストップでサポートさせていただくことができます。

VR観光の自治体導入事例(国内・海外)10選

1) インバウンド観光客がターゲットの政府作成VRゲーム(スペイン)

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引用:カタルーニャ州、観光地としての地域を宣伝するためVRゲーム「カタルーニャの伝説:バルセロナの地」をリリース

VR観光ゲーム『Legends of Catalonia』は、カタルーニャ州政府観光局が観光促進のために制作し、2018年11月にリリースされました。​​ゲームは日本語、スペイン語、英語、カタルーニャ語に対応しており、PlayStationストアから無料でダウンロード可能になっています。
舞台は、サグラダ・ファミリアやタラゴナのローマ円形劇場など、カタルーニャの象徴的な観光地です。
​プレイヤーは、FCバルセロナの元キャプテンであるカルラス・プジョル、登山家のエドゥルネ・パサバン、ミシュラン3つ星レストラン「カン・ロカ」のロカ三兄弟といった著名なカタルーニャ出身の人物と共にバルセロナの有名な観光地を巡って冒険を進めるというゲームです。

2) 冷戦時代のベルリンを体験できるVR施設(ドイツ)

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引用:TimeRide Berlin

TimeRide Berlinは、VR技術で1980年代冷戦時代のベルリンを体験できる施設です。参加者は、模擬バスに乗ってVRゴーグルを着けて当時のベルリンを巡ります。
ツアーは、戦後に東西に分割されたドイツの歴史や、1961年に東ドイツが西側への脱出を防ぐために壁を建てた背景について学ぶところから始まり、国境を超えたり、第二次世界大戦で破壊された街並みを目の当たりにします。
この体験は、ただの歴史的な展示ではなく、参加者に当時の人々と共に歴史を生きているかのような感覚を提供することを目指しているそうです。

3) ヨーロッパ初!VR観光地を巡るサービス(ウェールズ)

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引用:Visit Wales

ウェールズ政府の観光機関であるVisit Walesとウェールズのメタアーキテクト企業iCreateは共同で、観光プロモーションを目的とし、メタバース上にウェールズのVR空間を開発しました。
このVR体験では、ユーザーがアバターを通じてウェールズを再現した仮想空間を探索することができます。
メインアトラクションとして、隠されたウェールズの地図が見つかるお城や、ケーブルカー、ローマ時代のカエルレオンの円形劇場などがあります。
さらに、ドラゴン探しのクエストや、実際の宿泊施設や観光名所を組み合わせた仮想の旅程作成なども可能です。

4) FIRST AIRLINES、バーチャル海外旅行体験(日本)

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引用:FIRST AIRLINE

池袋に位置する「FIRST AIRLINE」は、地上にいながら本格的な航空旅行を体験できる世界初のバーチャル航空施設です。
実際に、飛行機のファーストクラスで使用されていた座席を備え、ニューヨーク、パリ、ローマ、ハワイなど世界各地への約120分のフライトを提供しています。
搭乗手続きから始まり、離陸時にはシートの振動やエンジン音でリアルな離陸感を再現。 ​
フライト中は最新のVR技術を駆使し、各都市の観光名所を巡るバーチャルツアーを楽しめます。 ​さらに、目的地にちなんだフルコースの機内食が提供され、視覚、触覚、味覚を通じて旅行気分を満喫できます。

5) ノートルダム大聖堂の歴史を巡るVR体験(フランス)

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引用:オレンジ社

ノートルダム大聖堂の歴史を体感できるVR体験は、2019年の火災後の復興支援の一環として、パリ大司教区やノートルダム大聖堂の保存・修復を担当する公的機関と協力して実現されました。
VRヘッドセットを装着し、13世紀から現代に至る大聖堂の歴史を巡る42分間の旅を楽しむことができます。
体験は、パリの二箇所の他、自宅でも体験できるよう、Meta QuestやVIVEPORT、PICOなどのプラットフォームでも配信されています。
収益は、大聖堂の修復基金に寄付され、文化遺産の保護に貢献しています。

6) 美術館の代表作をVR体験(サンフランシスコ)

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引用:ノーマン・ロックウェル美術館

ノーマン・ロックウェル美術館とサンフランシスコの大学は共同で、ロックウェルの代表作「フォー・フリーダム」を題材としたVR体験を開発しました。
この体験では、「言論の自由」「信仰の自由」「欠乏からの自由」「恐怖からの自由」の4作品の世界に入り込み、1940年代のアメリカの家庭や生活を探索できます。​
​例えば、「恐怖からの自由」では、第二次世界大戦中の家庭の様子を再現し、当時の新聞や家具、子供のおもちゃなど、時代を象徴するアイテムを体験できるようになっています。
2023年には美術館が無料のバーチャル・フィールドトリップ・プログラムを開始し、世界中の教育機関がオンラインで250点以上の作品を鑑賞できるようになりました。

7) VRで再現する津和野城の歴史(島根県津和野町)

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引用:津和野町

津和野町では、観光振興を目的に日本遺産に登録された「津和野百景図」を網羅的に体験できるよう、VRコンテンツを観光プラットフォームアプリ「ストリートミュージアム®」に掲載しました。
​現在、津和野城は石垣しか残されておらず、現地で在りし日の姿を想像することは難しい状況です。​
そこで、江戸時代の津和野城をVRで高精細に再現し、各場所ごとのVRを音声ガイドと共に楽しめるアプリを設計しました。​
さらに、古地図機能では、古地図と百景図を同時に見ながら街歩きができるようになっています。​
この取り組みにより、観光資源の魅力向上や地域の歴史への理解の深化市内周遊促進による観光客の滞在時間増加につながり、地域経済の活性化に貢献しています。​

8) 新しい観光の形メタバース空間デジタルモール嬉野(佐賀県)

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引用:デジタルモール嬉野

佐賀県嬉野市では、2022年9月に嬉野市の観光振興交流人口の増加を目指してVR空間デジタルモール嬉野が公開されました。​

このメタバース空間では、嬉野温泉駅周辺を高精細に再現し、利用者はアバターを通じて仮想的に駅前広場を探索、他のユーザーとの交流ができます。​

360度カメラによる実写映像を使った観光体験や、名産品の購入、オンラインイベントへの参加が可能です。​

茶畑や旅館のロビーといった観光スポットをバーチャルで訪れ、現地の雰囲気を楽しんだり、デジタルモール内では、観光情報の収集やクイズ、スタンプラリーなどの体験型コンテンツへの参加もできます。

9) VR空間で名所を再現「ネオ日置」(鹿児島県)

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引用:ネオ日置

鹿児島県日置市は、地理的な距離に制約を受けず、遠隔地の人々と日置市の人々が交流できるVR空間の建設を目指すプロジェクト「ネオ日置計画」を開始しました。​
日置市は歴史的観光資源を有する一方で、コロナの影響による観光業の低迷に直面しており、地理的な距離に制約を受けない交流経済活動へのシフトチェンジなどを目指しVR活用を行っています。
​VR上での観光案内やECサイト空間を展開する上で、ネイティブな鹿児島弁を話す日置市民との交流など、「人の交流」に着目しながら設計を行っているそうです。
また、ふるさと納税を活用したクラウドファンディングも実施しており、達成率220%となる700万円以上を集めるなど、大きな期待を集めています。​

10) 藤河内渓谷の360度VR動画制作(大分県)

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​​
引用:佐伯市

大分県佐伯市では、ユネスコエコパークに認定された祖母・傾・大崩地域の自然美を仮想体験できる取り組みの一環として藤河内渓谷360度VR動画が制作されました。
夏と秋の藤河内渓谷の風景を空撮し、清流や渓谷の壮大な自然を360度視点でリアルに体験できる内容となっています。
この動画は、佐伯市の観光プロモーションの一環で、イベントなどではVRゴーグルを使った視聴体験も提供され、県内外からの観光客に藤河内渓谷の魅力を伝える役割を果たしています。
また、Youtubeでも360度動画を視聴できるため、観光客の誘致にもつながっています。

VR観光のメリット3つ

ここでは、自治体や観光業がVRやメタバースを導入するメリットについてご紹介いたします。

VR観光のメリット①いつでもどこでも観光できる

自宅にいながら旅行体験ができるため、高齢者や障害のある方も利用しやすいというメリットがあります。
今までもインターネットの普及で時間や場所の制約がなく観光地を宣伝できていましたが、VRを使ってよりリアルな観光地の魅力を伝えることができるようになりました。

VR観光のメリット②観光地を効果的に宣伝

360度、3DのVR体験を通して、観光地の魅力をより具体的に伝えることができます。
また、ただ写真で見るよりもVRで事前に体験したことで、「実際に行きたい」と思ってもらえるきっかけにもなります。

VR観光のメリット③文化財や歴史的建造物の保護

経年劣化が進む文化財をデジタルアーカイブ化し、後世に残ることができるというメリットもあります。
観光客は、実際に文化財に触って消費することなく、文化財をVRを通して体験することができます。

VR観光のデメリット2つ

以上のようにVRを観光業で活用するメリットは大きいものの、考慮する必要のあるデメリットもあります。

VR観光のデメリット①導入コスト

高品質なVRコンテンツ制作には、数百万円以上のコストがかかります。低コストでの導入を試す場合には、360度動画撮影やアプリの利用ができます。

VR観光のデメリット②専用機器が必要

VRゴーグルを持っていないと本格的な体験が難しいというのがデメリットではありますが、今は360度動画やVRアプリなども利用可能になっているためこちらのデメリットは少なくなってきています。

VR観光に関するよくある質問

ここでは、VR観光に関するよくある質問をまとめました。

VR観光とはなんですか?

VR観光とは、VR(仮想現実)技術を使い、観光地をバーチャル体験できる仕組みです。旅行前の下見、東方からの観光、文化財のデジタル保存など多くの用途があります。

擬似現実観光のリスクは?

VR体験が満足感を高めすぎると、「実際に行く必要がない」と感じる可能性を心配される方もいます。

VR観光アプリはある?

日本では 「JTBのバーチャル修学旅行」「H.I.Sの360°ホテルツアー」 などが提供しています。海外では、「Google Earth VR」「Virtual NYC Tour」などがあります。

VRやメタバースを活用して地域経済活性化に繋げよう!

以上、本記事では、地方自治体や観光業におけるVRやメタバースの活用事例についてご紹介いたしました。
VR観光を導入してみたいが、どこから始めて良いかわからないという方は、一度WONQ株式会社にご相談ください。WONQは、法人向けVR・DXソリューションの開発・運用を専門としている会社です。
WONQでは、企画から運用までをワンストップでサポートできます。気になった方は、こちらからお気軽にお問い合わせください