はじめに
皆さん、こんにちは!元小学校教師で、現在はWONQ株式会社でVR開発をしているやま(24歳)です。
今回は私が今一番熱中している「メタバース」について、皆さんにもっと知ってもらいたいなと思ってブログを書きました。
- Facebook社が社名を「Meta」に変えたんだよね?
- メタバースって盛り上がっているけどついていけない…
- Apple Vision Proが発売されたけど、高級なんでしょ?
- ビジネスに活用したいけど、どうしたらいいかわからない
といった方に向けて、わかりやすく「メタバース」や「AR/VR/MR/XR」の用語解説。ビジネスでの活用事例。ビジネスに導入する際の注意点について解説します!
まずは、わかるようでよくわからない用語を解説していきます!
メタバースとは
メタバースって聞くと、なんだかSFの世界みたいで難しそうと思ってい人もいるかもしれませんね。
語源としては、超越を意味するメタ(meta)と宇宙を意味するユニバース(universe)を組み合わせた言葉ですが、正直何がなんだかよくわかりません。
しかし、メタバースの歴史を眺めてみると、実は普段、私たちが使っているものと繋がっていることがわかります。そのため、ビジネスで活用する前に、メタバースの歴史や用語の違いから見ていきましょう。
メタバースの歴史
メタバースのルーツは、1992年に発表された小説「スノークラッシュ」まで遡ります。この小説の中では、人々がアバターを使って仮想空間で交流する様子が描かれていました。当時はSFの世界の話でしたが、インターネットの普及やVR技術の発展によって現実のものになりつつあります。
つまり、メタバースとはインターネット上で現実世界のように動くことができる3次元空間のことを指します。この空間の中では、ユーザーは自分自身のアバター(分身)となり、他のユーザーと交流したり、旅行体験やゲームをしたりと様々な活動を楽しむことができます。
実際、VRデバイスをつけてみると、現実世界よりも迫力のある世界観を楽しむことができます。
メタバースが注目される3つの理由
そんな、新しい分野であるメタバースですが、注目される理由は主に、以下の3つです。
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新しいコミュニケーションの形: 時間や場所の制約なく、世界中の人々と交流ができる。
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経済活動の活性化: 仮想空間内で商品やサービスの売買が行われ、新たな経済圏が生まれる可能性がある。
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教育やエンターテイメントの革新: 仮想空間での学習やエンターテイメント体験が、より豊かになる。
より、具体的にイメージしやすいのはdocomo ConceptMovie 「あたらしい世界のはじまり」です。
後に産業別の活用事例を解説しますが、2024/08にUSJ(ユニバーサルスタジオジャパン)に行った際にはマリオカートや鬼滅の刃にてARやVRといった最新技術が使われたアトラクションがありました。ジェットコースターの動きに合わせてVR上で映像が流れ、本当にキャラクターと同じ世界にいるみたいで感動しました!
このように、実際にビジネスの場面でメタバース空間が広がりつつあります。
次は、メタバースを理解する上で欠かせない「AR/VR/MR/XR」の用語を解説していきます!
「メタバース」と「AR/VR/MR/XR」
メタバースとセットでよく出てくる言葉に「AR/VR/MR/XR」というものがあります。これらはそれぞれ似ていますが、実は違う意味を持ちます。
1つずつ丁寧に解説していくので、今日で理解してしまいましょう。
ARとは
AR(拡張現実)は「現実世界にデジタル情報を重ねて表示する技術」のことです。もっと簡単にいうと、スマホのカメラで街並みをかざすと、その上にキャラクターが表示されたり、建物に関する情報が表示されたりするのがARの代表的な例です。
身近な例ではポケモンGOがARを使ったゲームとして有名です。
他にも、USJのアトラクションであるマリオカートや、スラムダンクの映画で配布された入場者特典もAR技術を使用したものになります。
VRとは
VR(仮想現実)は映像でできた仮想空間のことです。VRゴーグルなどを装着すると、まるで別の世界にいるような感覚を味わえます。ジェットコースターに乗っている気分になったり、深海を探検したり、本当にいろいろな体験ができます。
テレビなどで紹介される時に見かけるのは、高いところでの綱渡体験などですね。
MRとは
MR(複合現実)は、VRとARのいいとこ取りをしたようなもので、「現実世界と仮想世界を融合させる技術」のことです。例えば、会議室に仮想のホワイトボードを浮かび上がらせたり、現実の物体にデジタル情報を重ねて表示したりできます。
画像は、実際に私が現実空間にオブジェクトを表示して手で掴んだり移動したりしている様子です。
XRとは
XRは、VR、AR、MRを全て含む総称のこと。つまり、「現実世界と仮想世界を融合したり、拡張したりする技術の総称」です。
「キリン」「ネコ」「イルカ」を動物と呼ぶように、XRは技術の総称を指します。
「メタバース」や「AR/VR/MR/XR」といった用語の理解やイメージが膨らんだところで、次はどうやってビジネスに活用し、実際にマネタイズしているのか活用事例を紹介していきます!
メタバースの活用事例8選
メタバースは、もう単なる仮想空間ではなく、私たちの生活やビジネスに大きな影響を与えています。では、具体的にメタバースはどのように活用されているのか見ていきましょう。
メタバースの得意なこと
メタバースが得意なこと、それはズバリ「体験の共有」です。現実世界ではなかなか体験できないことを、仮想空間で手軽に味わえるのがメタバースの魅力です。
お家にいながらメタバース空間に入ることで、世界中の人とコミュニケーションがとれ、手軽に行きたい場所ややってみたいことができます。そのため、InstagramやLINE、X(旧ツイッター)といったコミュニケーションの場がメタバース空間にも徐々に移っていくかもしれませんね。
では、業界別のメタバース活用事例について見ていきましょう!
音楽
米津玄師「2020 Event / STRAY SHEEP in FORTNITE」
(画像:TOWER RECORDS)
人気アーティストの米津玄師と星野源が、オンラインゲーム「フォートナイト」上でバーチャルライブを開催し、大きな話題を集めました。
米津玄師は、2020年に開催していたライブツアー「米津玄師 2020 TOUR / HYPE」の中断を機に、フォートナイト上で全世界同時バーチャルライブを実施。アルバム「STRAY SHEEP」のジャケットで印象的な羊のマスクを被った3DCGのアバターとなり、ゲーム内の様々なステージを移動しながらパフォーマンスを披露しました。このバーチャルライブは、世界中のファンから熱狂的な支持を受け、新たなライブ体験として注目を集めました。
一方、星野源は、フォートナイト内で開催されたバーチャルイベント「Soundwave Series」に参加。世界中のアーティストとともに、ゲーム内のステージでパフォーマンスを披露しました。
両アーティストのフォートナイトでのバーチャルライブは、新たな音楽表現の形ですね!
ゲームと音楽の融合という新たな試みは、アーティストとファンとの関係性を深め、音楽の楽しみ方を広げる可能性が広がっています。
不動産
大和ハウス「メタバースおうち見学会」
(画像:大和ハウス)
大和ハウスは、最新技術を駆使した革新的な住宅展示場を公開しました。この「メタバース住宅展示場」では、まるで自分が実際にその家に住んでいるかのような臨場感で、住宅内を隅々まで探検できます。
スマホやタブレット、PCひとつで、時間や場所にとらわれず、24時間いつでも自由に見学が可能。担当者とリアルタイムでチャットしながら、疑問点をその場で解決できます。最大6人まで同時に見学できるので、家族みんなで意見交換しながら理想の家づくりを進めることも可能です。
VR空間ならではの自由度も魅力です。地面から屋根の上まで、あらゆる角度から住宅を眺めたり、子どもやペットの目線になって室内を探索したりできます。さらに、床や壁の色や素材、インテリアを瞬時に変更して、自分好みの空間をデザインすることも可能です。
今後、対応する住宅商品ラインナップを拡充していくことで、より幅広い層の顧客に、快適な家づくりのサポートを提供していく予定です。
建設業
奥村組「メタバース技術研究所」
(画像:奥村組)
2021年12月、建設業界のリーディングカンパニーである奥村組が、業界に衝撃を与えたニュースを発表しました。なんと、自社の設計・施工の効率化を目的に、独自のメタバース空間「メタバース技術研究所」を構築したのです!
なぜメタバースなのか?
建築業界では、建物の完成イメージを掴むために、これまで実物大の模型(モックアップ)を作成することが一般的でした。しかし、この方法には大きな課題がありました。
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莫大なコストと廃棄物
実物大のモックアップを作るには、大量の資材が必要となり、結果として多くの産業廃棄物が発生していました。 -
時間と労力の無駄
設計段階での変更や手戻りが発生した場合、モックアップを作り直す必要があり、多大な時間と労力を費やしていました。
そこで奥村組は、VR構築サービス「NEUTRANS」を活用し、実験棟をメタバース空間に再現することにしました。この仮想空間上で、設計や施工のシミュレーションを行うことで、以下のメリットが得られます。
- 高精度な設計・施工
メタバース空間では、細部まで緻密な設計が可能となり、施工の精度が向上します。 - コスト削減
実物大のモックアップを作る必要がなくなるため、大幅なコスト削減が期待できます。 - 環境負荷の低減
産業廃棄物の発生を抑え、環境への負荷を軽減できます。 - スピードアップ
設計から施工までのプロセスが効率化され、工期短縮につながります。 - 安全性の向上
仮想空間上での実験により、安全性を確保しながら様々なシミュレーションを行うことができます。
小売業
三越伊勢丹「REV WORLDS」
(画像:三越伊勢丹)
三越伊勢丹が、メタバースの世界に新たな風を吹き込んでいます。独自の仮想都市「レヴ ワールズ」を構築し、新しいショッピング体験を提供しています。
アバターになって、バーチャルな伊勢丹を自由に歩き回り、お気に入りの商品を探し出すことができます。店員さんもアバターの姿で現れ、まるで本物の店舗で買い物しているかのような臨場感あふれる接客を受けることも可能です。
「レヴ ワールズ」では、ショッピングだけでなく、様々なイベントが開催されています。例えば、最新のファッションショーをバーチャル空間で楽しんだり、人気格闘漫画『刃牙』シリーズの地下闘技場を再現した空間で、大好きなキャラクターと出会ったりすることもできます。
観光
ANA「GranWhale」
(画像:ANA)
ANAホールディングスが、2023年12月11日より、バーチャル旅行プラットフォームアプリ『ANA GranWhale』のサービスを開始しました。VR技術を活用し、まるでその場にいるかのような臨場感で、世界中の美しい風景や文化を体験できる革新的なサービスです。
Skyモールでは、ANA FESTAをはじめとする様々なショップがバーチャル空間に集結。まるでショッピングモールを歩いているような感覚で、お買い物を楽しむことができます。
ANA GranWhaleでは、ANAのマイルを貯め、使用することができます。アプリ内の「グランチップ」を集めてマイルガチャを引いたり、ANAマイレージクラブ会員の方は「Vマイル」を交換して、アバターのファッションアイテムやデジタル商品を手に入れたりすることも可能です。
ファッション
青山「バーチャルショップ」
(画像:青山)
メタバース空間で買い物ができるアパレルショップが誕生しています。リアル店舗のようにバーチャル店舗を自由に歩きまわって商品を選んだり試着したりできるため、ECサイトに比べて顧客の満足度が高くなりやすいようです。スタッフがバーチャル上で接客したり、アバター同士でコミュニケーションをとったりすることもでき、リアル店舗とECサイトの中間的な立ち位置として新しい顧客体験を創造しています。
広告
博報堂が、日本企業として初めてメタバース空間内での広告枠の販売に乗り出しました。世界最大級のゲーム型メタバースプラットフォーム「Roblox」と提携し、その広大な仮想世界の中で、企業の広告展開をサポートします。
Robloxは、デイリーアクティブユーザーが約5000万人を誇る巨大なプラットフォームです。このプラットフォーム内に、企業は自社の製品やサービスをアピールする画像や動画広告を掲載できます。例えば、Roblox内のビルボードに広告を表示したり、仮想空間内にブランドストアを構えたりといったことが可能になります。
DAC、全世界2億人超が利用するゲーミングメタバース「ROBLOX」で日本初となる広告配信サービスの効果検証を実施
教育
東京大学「新入生歓迎オリエンテーション」
(画像:東京大学)
東京大学は、昨年度の新入生歓迎オリエンテーションをメタバース空間で実施しました。学生たちは、スマートフォンやパソコンを通じてバーチャルな東大キャンパスにアクセスし、オンラインでサークル説明会に参加。安田講堂前広場が再現された空間では、学生たちがアバターの姿で集まり、交流を深めました。
企画したVRセンターは、今後もメタバースを活用した教育や研究の推進を目指すと発表しています。
最後に、さまざまな分野で広がっているメタバースをビジネスに導入する方法について解説します!
メタバースをビジネスに導入する方法
メタバースの紹介事例からメタバースという分野が注目され、実際にビジネスにどんどん活用されていることがわかりましたね。活用事例からメタバースをビジネスに導入することのメリットをまとめると、以下のようなメリットが挙げられます。
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新たな顧客体験の提供
従来のECサイトでは実現できなかった、臨場感あふれるショッピング体験を提供できます。青山の例のようにアバターで服を試着したり、バーチャル空間内で製品を360度回転させて詳細を確認したりすることが可能になります。 -
ブランドイメージ向上
メタバース空間は、企業が自社のブランドイメージを自由に表現できます。ダイワハウスのようにバーチャル空間でお家のイメージを構築することで、企業文化や製品の魅力を視覚的にわかりやすくすることができます。 -
顧客とのエンゲージメント強化
バーチャルイベントやコミュニティを通じて、顧客との関係性を深めることができます。リアルタイムなチャットや共同作業を通じて、顧客の声を直接聞き、製品開発やサービス改善に活かすことができます。 -
業務効率化
遠隔地にいる社員同士が、メタバース空間でリアルタイムにコミュニケーションを取ったり、共同作業を行ったりすることが可能になります。これにより、業務効率化やコスト削減に繋がります。 -
新規ビジネスモデルの創
メタバース空間では、仮想土地の売買や、仮想通貨を使った経済活動など、従来のビジネスモデルとは異なる新たなビジネスモデルが生まれつつあります。米津玄師の例のように、バーチャル空間上でライブをすることで、世界中の顧客に向けたアプローチができます。
このように、多くのメリットがあるメタバースですが、ビジネスに導入する上で、何でもかんでも闇雲にメタバースにすればいいというわけではありません。
そのため、ビジネスに活用する際の注意点を解説します!
ビジネスに活用する際の注意点
メタバースをビジネスに活用する上での注意点は以下のものがあります。
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技術的な課題
メタバースを構築・運用するためには、高度な技術力が必要です。自社で開発する場合は、専門知識を持った人材の確保や、外部の専門企業との連携が不可欠なため、メタバースをビジネスに取り入れる際は必ず専門分野の人に相談しましょう。 -
法規制
メタバースに関する法規制は、まだ十分に整備されていません。新しい技術であるため、法的なリスクも考慮する必要があります。 -
ユーザー体験
メタバース空間でのユーザー体験を向上させるためには、ユーザーが使いやすい設計やコンテンツ制作に工夫が必要です。
そのため、必ずメタバース開発を行なっている企業に相談し、コストや技術的に可能かをしっかりと検討した上でメタバースをビジネスに導入するようにしましょう。
まとめ
今回の記事ではメタバースの用語解説やビジネスでの活用事例、ビジネス導入時の注意点について解説してきました!
メタバースはまだまだ発展途上の技術ですが、既ににビジネスで活用され、私たちの生活に馴染みつつあります。
メタバースはfacebookやAppleが力を入れていることから分かるように、今後も発展していく分野だと言えるでしょう。
ビジネスで活用してみたいがどうしたらいいかわからないといった方はまずはご相談からでもWONQ株式会社にご連絡ください。
今後はメタバースを体験するためのデバイスやメタバースを創り出すための技術、メタバースを活用したビジネスと開発方法などについて深掘りしていく予定です。
それでは!
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